「個人がコンテンツ化する時代」についての考察 

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この記事を書こうと思ったきっかけ

 

 

 

 

僕は毎日のようにブログやYouTubeのコンテンツを見漁っていた。

そんなある日、ふと思い立った。

 

 

 

 

「僕ってインプットばっかりで何もアウトプットしてないや・・・」

 

 

 

 

 

 

それは焦りにも似た感情だった。劣等感なのか? いやもっと奥が深い何かだ。

僕は自分の存在価値すら問われているような感覚にみまわれた。

 

 

 

 

そして、自分も何かアウトプットをしてみようと思った。

暗い部屋の片隅から、あの輝かしい光を放つディスプレイの向こう側へ。

 

 

 

 

興味があることを何か書こうと。。。

 

 

 

しかし、、距離が遠い。。。圧倒的距離感!!

あと一歩、、、あと一歩までの距離が遠すぎる。

なぜだ、、、寺に生まれたからなのか、、、

 

 

 

 

コンテンツを配信するということは、ここまで心理障壁が高いものなのか。

それは、闇に宝石を投げ込むような恐怖だ。

 

 

 

そこでまた、ふと思い立った。闇?

 

 

 

 

 

そうか、闇雲に戦おうとしてたから怖かったんだ。

 

 

 

 

 

コンテンツの正体は?

コミュニティの正体は?

個人がコンテンツ化するということはどういうことなんだ?

 

 

 

 

これらの闇に光を照らしたら、僕も向こう側へ行けるんじゃないか?

 

 

 

 

そう思って僕は闇に光をてらすべく、暗い部屋の片隅へと重い腰を運んだ。

 

 

  

 

 

この記事の構成

 

今回は2部構成でまとめた。

 前半:「個人がコンテンツ化する時代」に関してのまとめ

 後半:「コンテンツ配信者が効率よく情報発信を運用していくための構造」の考察

 

【目次】

 

 

 

 

それではまずは前半「個人がコンテンツ化する時代」からみていく。 

 

個人がコンテンツ化する時代

言葉の定義

話を進める前に「個人がコンテンツ化する」という言葉の定義から説明しようと思う。

ここでの「コンテンツ」とは「ヒトを魅了する情報」という意味で使う。

 

 

つまり「個人がコンテンツ化する」ということは、個人が「ヒトを魅了する情報」になるということだ。

 

 

とは言ってもそんなに新しい話でもなく、個人がコンテンツとして機能してるのは今に始まったことではない。

 

 

コンテンツ力がある個人は昔から存在した?

歴史を振り返ってもコンテンツ力がある個人は存在する。

あたり前のことだけど歴史に名前が残ってる人達はたくさんの人を魅了してきている。

 

 

そして規模は小さいが、小学校の時にクラスの中心になってギャクをしてクラスを賑わしていた人気者や、クラスの隅で熱心に話をしている人達も皆それぞれコンテンツである。

 

 

しかし、コンテンツをアプローチする範囲は限られていた。

そして広い範囲で配信できる人達も限られていた。

 

それには圧倒的なカリスマ性が必要だったし、なによりコンテンツを作るコストが高かった。

また、情報を伝達するすべも限られいた。

 

 

そのため、コンテンツを発信できる層は一部の特権者に限られていた。

 

 

なぜ個人のコンテンツ化が進んだのか?

それには大きく2つの理由が上げられる。

 

1番の理由は情報伝達手段のイノベーションにより手段が多様化しコンテンツの配信コストが劇的に下がったことである。

 

インターネット、とりわけSNSの普及によって、より手軽に多くの人にコンテンツをアプローチすることが可能になったのだ。

 

もう1つは、コンテンツを作成するコストが下がったことである。

 

かつてはコンテンツを作成するには特殊技術が必要であった。

そのために、今まで頭の中で考えていたことをアウトプットできるのは作家や動画クリエイターのといった一部の限られた人達だけだった。

そして彼らはアウトプットする技術を習得するのに、多大な時間を有した。

 

 

しかし、ネットの普及による情報開示とツールの大衆化により、誰でも一定レベルのクオリティでアウトプットができるようになった、

 

 

つまりだれでも頭の中で考えていたことを実現することができる時代になったのだ。

 

 

この2つの理由から個人のコンテンツ化が急速に進んだと思われる。

正直当たり前過ぎて今更感があるが、これが結構重要なポイントだ。

 

 

では次に情報伝達手段の性質を明らかにし、具体例を用いて現在運用されている代表的な情報伝達手段の特徴を見ていく。 

 

情報の質と伝達範囲

その前に、まず情報とはなんなのか?

「情報」という言葉は意味が複雑すぎるため、意味を絞る。

 

ここでは「情報」は人対人で行われる知覚・感情・思考の伝達で、あるものごとの内容や事情についての「知らせ」という意味で使う。

 

情報が内包する情報

情報にはそれ自体に内包されている付加情報が存在する。

それは

  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • だれが(Who)
  • なにを(What)=情報の内容
  • なぜ(Why)
  • どのように(How)

    +

  • どんな前提条件で(Premise)= 過去の情報

この6+1の計7つの情報である。

 

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 図:情報のが内包する情報のイメージ

 

 

それぞれ説明すると例えば「お腹が空いた」という情報があるとする。

その場合「お腹が空いた」という情報には

 

いつ発信された情報なのか?

→過去/現在/未来の時間情報

どこで発信された情報なのか?

→空間情報

誰が発信した情報なのか?

→発信元の情報

何を発信したのか?

→情報単体のメッセージ。この場合は「お腹が空いた」という情報

 

なぜ発信したのか?

→情報の発信理由

→前提条件から受け手が推測する。

どのように発信された情報なのか?

→発信者の状態

→発信手段

どういう文脈で発信された情報なのか?

→過去の情報を元に受け手が推測する。

 

 これらの情報が付加情報として存在していることになる。

 

そしてある情報に付加されている前提条件は過去のある情報をもとに解釈されることになり、そしてその過去のある情報に付加されている前提条件はさらにその過去のある情報をもとに解釈される。このような情報の連なりをインフォチェーンと呼ぶことにする。

 

 

情報とはインフォチェーンのことである。

 

 

つまり、情報は前提条件=過去の情報に影響されて解釈(価値)が変わっていく性質を持っている。

 

 

言い換えると、人は情報の連続から文脈を読み取り、情報を解釈(価値判断)している。

 

 

ことになる。

 

 

情報伝達の2つの性質

さぁ情報の性質について理解ができたら、

次はいよいよ伝達手段の構造を見ていく。

 

 

まずは情報伝達手段の2つの性質の説明をする。

それには、人類の歴史をたどっていけば理解しやすいと思う。

 

 

まず1番初期の伝達手段。

 

それはフロー型対面コミュニケーションだ。

対面で直接コミュニケーションする方法である。

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これには情報単体の価値に加えて、基本7つの付加情報がすべて包括されており、情報自体の質は一番高い状態での伝達手段になる。

 

誰が話しているか見てわかるし、相手の状態もわかる。また同じ時間、空間を共有しているので時間と空間情報も共有できる。

 

しかし、デメリットがある。

それは時系列とともに情報の信用性が落ちてしまうこと、情報の伝達範囲がどうしても限られてしまうことがある。

伝言ゲームをイメージしてもらったらわかるが、徐々に情報の質は薄れていく。

 

それに対して次に発明されたのがストック型コミュニケーションである。

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これは時系列と共に情報の信頼性が落ちにくく、また情報の発言者が居なくても伝達出来るというメリットがある。

 

しかし、デメリットとして、情報の質が低くなる。

特に誰が伝えた情報なのかの情報が薄れる傾向にある。

 

 

 

情報伝達手段のこの2つの性質であるフロー型/ストック型をもとに、

 

 

いかに質のいいインフォチェーンを広範囲に早く伝達できるかの工夫の結果が現在に至っているということである。

 

 

では最後に、現在運用されている代表的な情報伝達手段はどのような特徴があるのかを見ていこうと思う。

  

 


情報の質を評価する指標を定義する。

 

 

 

まずは広範囲に早く伝達出来るかという観点。

次は情報の質という観点。

これは情報単体の質だけでなく、付加情報の質が影響する。

7つある付加情報のうち「When」「Where」「Who」「What」「How」の5つの情報が

「Why」と「Premise」解釈に影響する。

 

つまり「When」「Where」「Who」「What」「How」の5つの情報の質が情報の質に結びつく。

そこでこの5つの情報が伝達の際にどこまで付加されているかを★1-5で評価する。

 

フロー型例①電話

電話機で音声を電気信号(アナログ式では電流の変化、デジタル式では加えて位相の変化)に変換し、電話回線を通じて離れた場所にいる相手方にこれを伝え、お互いに会話ができるようにした機構および、その手段のこと。

 When:★5 リアルタイムで情報の発信/受信が可能。

Where:★2 相手がどこにいるかの情報は基本的にはわからない

Who:★2 話す相手は見えないし、声の情報から推測するしか無い

What:★2 音声のみ

How:★2 話す相手は見えないし、声の情報から推測するしか無い

メリット:リアルタイムで情報を発信できる。また情報を伝達出来る範囲が広い。

デメリット:音声情報しか発信できない。(それに対してテレビ電話ができた)

 

フロー型例②twitter

「ツイート」と呼ばれる半角280文字(日本語、中国語、韓国語は全角文字なので半分の140文字)以内のメッセージや画像、動画、URLを投稿できる。

When:★2 基本情報はリアルタイムで投稿されるが受信する側からしたらその情報は過去のものになっている場合がほとんど。

Where:★2 相手がどこにいるかの情報は基本的にはわからない

Who:★1 話す相手は見えない。プロフィール機能を利用すると情報の質は上がる。

What:★4 テキスト、画像、動画を発信できる。

How:★1 話す相手は見えない。

メリット:簡易的にコミュニティを作れるフォロー、フォロワー機能があり情報発信を活性化している。「いいね」「リツイート」機能による情報の拡散力が凄まじい。

デメリット:誰が発信しているか?という情報が抜けがち。

 

 フロー型例③SHOWROOM

iOSやAndroid端末、PCからライブ配信および視聴を行えるストリーミングサービスである。 

When:★5 リアルタイムで情報の発信/受信が可能。

Where:★3 動画情報として相手がいる空間がわかる。

Who:★3 話す相手が見える。

What:★4 動画を発信できる。

How:★3 話す相手が見える。

メリット:バーチャル上で空間を共有することでWhereの情報を擬似的に創造しているところが面白い。評価指標からは少しずれるが、「投げ銭」機能で情報発信者と受信者のコミュニケーションを設計しているのがすごい。コミュニティのインセンティブ設計もされており、理想的なファンコミュニティの構造になっている。

デメリット:リアルの対面で無い分Whereの空間の情報が少ない。Twitterのような拡散力はない。

 

 

ストック型①本

木、竹、絹布、紙等の軟質な素材に、文字、記号、図画等を筆写、印刷し、糸、糊等で装丁・製本したもの 

When:★1 基本いつ発信された情報かはわからない

Where:★1  どこで発信された情報かはわからない

Who:★1 誰が発信した情報かはわからない

What:★3 テキストのみだが、情報がまとまりやすい。

How:★1 どのような状態かの情報はわからない

メリット:情報を伝達できる範囲が広い。また情報の劣化もなく、基本作成されたままの状態で情報が伝達される。

デメリット:情報に包括されている付加情報が少ない。情報の伝達スピードが遅い。

 

ストック型②ブログ

ウェブ サイトの一種。ホーム ページが簡単に作れるシステムで、日記公開や他からの意見の交流に使う。

When:★2 基本情報はリアルタイムで投稿されるが受信するがわからしたらその情報は過去のものになっている場合がほとんど。

Where:★1  どこで発信された情報かはわからない

Who:★1 誰が発信した情報かはわからない。プロフィール機能を利用すると情報の質は上がる。

What:★4 テキスト、画像、動画を発信できる。

How:★1 どのような状態かの情報はわからない

メリット:基本的に本と似ているが、ブログのメリットは情報伝達のスピードが早く、またアプローチ出来る範囲が広い。

デメリット:情報に包括されている付加情報が少ない。

 

ストック型③YouTube

利用者が投稿(アップロード)した動画を他者が視聴して楽しむ無料の動画共有サービス

When:★2 基本情報はリアルタイムで投稿されるが受信するがわからしたらその情報は過去のものになっている場合がほとんど。

Where:★1  どこで発信された情報かはわからない

Who:★1 誰が発信した情報かはわからない。プロフィール機能を利用すると情報の質は上がる。

What:★4 動画を発信できる。

How:★1 どのような状態かの情報はわからない

メリット:基本的にブログと同じ。

デメリット:情報に包括されている付加情報が少ない。

 

 

 

 

 

これで第1章は終了。

 

 

 

 

もし見てくれた人がいたら感謝です。 

そしてコミュニケーションにおける情報構造と個人のコンテンツ化に関する理解が深まれば幸いです。

 

 

 

さぁ次はいよいよ、情報を配信する側の立場からみた、「コンテンツ」と「コミュニティ」に関してまとめてみる。

 

 

 

コンテンツ配信者が効率よく情報発信を運用していくための構造

第2章では、コンテンツの性質とコミュニティ構造を説明したあとに、実際にファンコミュニティを形成するための10つのテクニックを紹介している。

 

ではまず、そもそも良いコンテンツとは?というところから説明する。

 

 

良いコンテンツとは?

ネットが普及し、コンテンツが拡散される中で、かつてはPVばかりを追うPV史上主義が主流であった。要はどれだけ多くの人の目に入ったかということ。

しかし、近年、PVではなくエンゲージメント指数を追うことが重要視されている。

 

 

エンゲージメント指数とはそのコンテンツを介してユーザーがどれだけアクションを起こしたかを数値化したものである。

 

 

つまり、良いコンテンツとは、受け手に何かアクションを促すことができるものなのである。

 

 

しかし、ここでも問題があって、エンゲージメント指数を理解せずに表面的な可視化しやすい情報だけを追ってしまうと、精度が落ちてしまう。

エンゲージメント指数はデータとして取れる実行動のアクションだけでなく、目に見えない内面的なアクションも重要になってくる。このことを常に意識しておく必要がある。

(目に見えない内面的なアクションを如何に数値化して追っていくのかも重要になってくる) 

 

 

そしてこのエンゲージメントが高まると、そこにコミュニティが生まれる。

 

 

次はそのコミュニティの構造を考察する。

 

コミュニティ

SNSを通じてコミュニティが盛んに形成されている。もちろんコンテンツ配信者にとってコミュニティを形成することはとても重要になる。(自分が配信するコンテンツを楽しみにしてくれる人達がいたら嬉しいのは言うまでもないであろう)

しかしコミュニティとは一体何なのか?

それにはコミュニティが持つ役割について考えるとその輪郭が見えてくる。

 

コミュニティが持つ2つの役割

どんなコミュニティでも必ず求心力となる媒体が存在する。

そして、その媒体がコミュニティの機能を決定つける。

 

媒体には2つの役割があり、それぞれ

 

  1. 共通の目的を達成する
  2. 〇〇感情を共有する

 

ことである。

 

この2つの要素がコミュニティ形成には必要になる。

 

 

①共通の目的の達成

これは会社をイメージするとわかりやすい。

会社はある目的(ビジョン)を達成することを命題に集まった人達からなるコミュニティである。

目的が共通化すると、コミュニティの方向性が明確になり、コミュニティ内の結びつきはとても強固なものになるのが特徴である。

 

②〇〇感情の共有

人は感情が動くとそれを人と共有したくなる時がある。

アニメのコミュニティの場合はそのアニメに対する「かわいい」「かっこいい」「面白い」などの感情を共有するために形成されたコミュニティである。(もちろん、情報を共有したいなどという目的の要素も含まれる)

共通の目的がある場合と比べるとコミュニティ内の結びつきは緩やかで、参加ハードルが低いのが特徴である。

 

 

コミュニティ形成に重要なのが何の感情を共有するのか?である。

 

 

プルチックの感情の輪

感情を理解するのに適したフレームワークがある。

それは1980年にアメリカの心理学者ロバート・プルチック(Robert Plutchik)氏が提唱した「プルチックの感情の輪」と呼ばれるものだ。

 

ロバート・プルチックの調査によれば、人には34000の区別可能な感情があることが示されている。

 

 

しかし、実際34000の感情を見ていくのは実際無理である。

 

 

そこで、プルチックは感情を8つの基本感情(一次感情)に分類し、2つの基本感情の掛け合わせから生まれる混合感情を2次感情と定義した。

 

 

8つの基本感情とは、『喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待』である。

 

更にその8つの基本感情は3つの強度に分類される。

  • 平穏喜び 恍惚
  • 容認 信頼 敬愛
  • 不安 恐れ 恐怖
  • 放心 驚き 驚嘆
  • 哀愁 悲しみ 悲嘆
  • うんざり 嫌悪 強い嫌悪
  • 苛立ち 怒り 激怒
  • 関心 期待《予期》< 警戒

 

そして8つの基本感情の組み合わせで生じる2次感情とは

「愛・服従・畏怖・拒絶・後悔・軽蔑・攻撃的・楽観・罪悪感・好奇心・絶望・憤慨・悲観・皮肉・自尊心・運命・感動・感傷・恥辱・憎悪・悲観・不健全・優越・不安」になる。

 

1次感情:8☓3=24と

2次感情:24の

合計48つのカテゴリに分類できる。

 

以下の図は感情の輪のイメージ図である。

 

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色のグラデーションが感情の強度で、内側に行くほど強い感情になっている。またこの図では隣り合う要素の組み合わせしか記載されていないが、JOYとTRUSTの組み合わせがLOVEになるといった、各要素の組み合わせが2次感情になっていることがわかる。

 

それでは合計48つの感情を表にしてみていく。

 

基本感
喜び 希望が達成された時や、優しさを感じた時の爽やかな気持ち
信頼 心配することなく、信じて安心できる気持ち
恐れ 害悪や危険な事柄に対して逃避したいと感じる気持ち
驚き 予期しない事象を体験した時の瞬間的な感情
悲しみ 物事がうまくいかなかった時や、大切なものを失った時に感じる残念な気持ち
嫌悪 憎み嫌い、不快に感じる気持ち
怒り 侮辱されたり傷つけられたりした時に起こる不愉快な気持ち
期待(予期) 事柄が自分の思いどおりになることを望む気持ち
基本感情(強度:弱)
平穏 変わった事も起こらず、おだやかなさま。
容認 認めること。
不安 何か漠然として気味の悪い心的状態
放心 ぼんやりしていること。
哀愁 寂しくもの悲しい気持ち。
倦怠 うんざりすること
苛立ち 思うようにならず,いらいらしている気持ち。
関心 心にかけるこ
基本感情(強度:強)
恍惚 物事に心をうばわれて、うっとりするさま。
敬愛 尊敬し、親しみの心をもつこと。
恐怖 強く恐れること
驚嘆 強く驚くこと
悲嘆 強く悲しむこと
強い嫌悪 強く忌み嫌うこと
激怒 激しく怒ること。
警戒 好ましくない事が起こらないように、注意し用心すること。
2次感情(隣り同士の組み合わせ)
かわいがり、慈しみ、いたわりの気持ち
服従 命令を受け入れ、素直に従う気持ち
畏怖 おそれおののく気持ち
拒絶 相手の頼みや要求を受け付けない気持ち
後悔 過去を振り返り、くよくよする気持ち
軽蔑 卑しいもの、劣ったものとして相手を蔑む気持ち
攻撃 敵意を持って相手を弱らせたい気持ち
楽観 事態が好ましい状態に向かうだろうと気楽に感じる気持ち
2次感情(1つ飛ばしの組み合わせ)
罪悪感 悪いことをしたと感じて罪を償いたいという気持ち
好奇心 珍しいことや未知な物事に興味を持つ気持ち
絶望 希望を全て失ってやる気がなくなる気持ち
憤慨 思いどおりにならないことに、ひどくイライラする気持ち
悲憤 悲しみといきどおりが混ざり合った気持ち
皮肉 人を意地悪く、遠回しに非難したい気持ち
自尊心 自分の言動に自信を持ち、他からの干渉を排除したい気持ち
運命 人間の意志を超えた天命に感じる気持ち
2次感情(2つ飛ばしの組み合わせ)
感動 ある物事に深い感銘を受けて心を奪われる気持ち
感傷 物事に感じて心を痛めたり同情したりする気持ち
恥辱 名誉などが傷つけられて恥ずかしく感じる気持ち
憎悪 ひどく憎み嫌う気持ち
悲観 物事を悪い方向に捉える失望の気持ち
不健全 心の状態が歪んで、価値観に反することをしたいと感じる気持ち
優越 他人よりも優れていることに喜びを感じる自己肯定の気持ち
不安 良くないことが起こるのではと恐れる、落ち着かない気持ち

 

 


感情を言語化するのは一方ではナンセンスな気もするが、コミュニティを設計する際にはいい参考になると思う。
基本的にはこれら48つのパターンに収まるはずだ。



 

情報がコミュニティを形成するまでの4ステップ

 

コミュニティ形成には4つのステップがある。(情報の性質とコミュニティの構造を説明した今ならイメージしやすいと思う。)

 

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①点の状態:情報単体が存在するだけ。

②線の状態:情報同士が結びつき文脈が強化される。

③円の状態:線が絡み合うことで求心力が生まれ、人が集まりだす。ここでコミュニティの原型が生まれる。

④円錐の状態:コミュティが成熟すると、ヒエラルキーが生まれてくる。そこには単なる目的の達成や感情の共感以外の役割が生じる。

 

このようにコミュニティは形成されていく。

 

つまり、コミュニティの正体は情報の結びつきであり、それが求心力となり人々を寄せ付けた状態の事である。

 

 

ファンコミュニティとは?

コミュニティの構造がわかったところで、コンテンツ配信者が特に意識すべき物がある。

それがファンコミュニティである。

 

ファンコミュニティの特性

ファンコミュニティとは求心力である人、モノに対して、「応援したい」「憧れて近づきたい」という思いが強く芽生えたときに生じるコミュニティの形態である。

 

コンテンツを配信する際にこの「応援したい」「憧れて近づきたい」の要素をどのように組み込むかがファンを増やすために必要なのだ。

 

個人がコンテンツ化した先には必ずこのファンコミュニティが存在する。

TwitterやInstagramではフォロワーでありYouTubeではチャンネル登録であったりと、コミュニティを可視化することが可能である。

 

ファンを増やす10つのテクニック

最後に今まで考察してきたものから個人がコンテンツ化していくために、そしてファンを増やしていくために必要な10つのテクニックを紹介する。

 

1.継続

何よりも重要なものは・・・何を隠そう「文脈」である。

そのためには継続してコンテンツを配信する必要がある。コンテンツの数が増えると点であった情報が線になり、少しずつであるが文脈ができてくる。

 

なのでますはコンテンツ配信を継続することを意識してほしい。

 

また、エンゲージメントを増やすためには頻度は重要な要素になる。

基本的には頻度は多い方がいい。しかし、情報を受け取る側の立場になって、ウザくならないように配慮は必要だ。

 

2.文脈共有

どんな文脈を作り、共有していくのかを設計するのはとても重要になってくる。

 

 

では具体的にどう文脈を作ったらいいのか。

実はすでに説明していて、

 

  • いつ(When
  • どこで(Where
  • だれが(Who
  • なにを(What=情報の内容
  • なぜ(Why
  • どのように(How
  • どんな前提条件で(Premise= 過去の情報

この情報を埋めることだ。

 

 

特に「誰が」の部分の情報は重要だ。

なぜなら人は「何を言ったかより誰が言ったか」を重視するからである。

 

例えば、コンテンツ制作者のプロフィールを文脈に組み込むのも一つの手である。

同じwebサービスを紹介するコンテンツだとしても、発信者がgoogle出身という情報があるだけでなぜか段違いに説得力が増す。

 

共感を生む文脈を「誰が」に持たせよう。

 

3.共感

全ては共感から始まると言っても過言でないほど、共感は重要だ。

文脈を作るのも全ては共感を生むためだからだ。

共感を作るポイントは2

 

①誰に共感してもらいたいのか

②どういう感情を共感してもらいたいのか

 

この2つを常に意識してコンテンツを作成するとよい。

これは頭が引きちぎれるくらい考えていいと思う。

(また、その際には感情の48分類が参考になってくる)

 

4.口コミ

人は感情が動くと誰かに共有したくなるのだ。

そこで口コミを生むために刺激すべき4つの欲を紹介する。

 

①共振欲(純粋にその感情を共有したい)

②表現欲(自分の意見や表現を打ち出したい)

③称賛欲(自分が認めるものを称えたい)

④啓蒙欲(ためになるから周囲に知らせてあげたい)

 

これについては、この記事がおすすめで、コンテンツを設計する際に参考になると思う。

動画再生数合計7000万超のプランナー直伝「バズのツボ」とは? | HRナビ by リクルート

 

 

口コミは「ねずみ講」のイメージを持つのがオススメである。

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この図ように1人が誰か2人に紹介するだけで、指数関数的に拡散されるのだ。

 

 

 

5.余白

ファンコミュニティの温度を上げるために必要なのが余白である。

 

2つの余白が重要になる

 

  1. 成長の余白
  2. 解釈の余白

 

成長の余白

成長の余白とは、コンテンツ自体にあえて改善の伸びしろを設計することだ。

そして、その伸びしろに対して「私がコンテンツを良くする」と思ってもらうことが重要になる。

 

例えばAKBの場合は、ダンスも歌も完璧ではないメンバーにファンがアドバイスできる場所を用意した。

そして、次の公演にはそのアドバイスが活かされてメンバーの成長を見ることが出来る。

 

この成長の余白が「応援したくなる」を生み出すのだ。

 

 

解釈の余白

解釈の余白とは、あえて表現の幅を残しておいて、受け手側が自由に解釈できるようにすることだ。

 

カルト映画に熱狂的なファンが多いのは、難解な内容に解釈の余白があるからだ。

それぞれが自分でその余白を解釈しコンテンツを完成させることになる。

そうすることでコンテンツに対するエンゲージメントがあがるのだ。

 

また、口コミを生むための「表現欲」を刺激するので、拡散効果もある。

 

 

 6.インタラクティブ

ここからはある程度コミュニティが形成された段階でのテクニックだ。

文脈ができ、共感する人が出てきた状態で、4つのステップでいうと円の状態にあたる。

 

よりコミュニティの強度を強めるためには、インタラクティブ性がポイントになる。

 

インタラクティブ性とは、コンテンツに対しての受け手の反応に対して更に反応するということだ。

 

例えば、質問が来るとして、その質問に返答してあげるだけでも、コミュニティの密度はギュッと上がる。

 

 

7.リアルタイム

 

重要なのは「受け手の反応に対して更に反応する」時間の間隔をできるだけ早くすることである。

今だとリアルタイム配信なども普及し、レスポンスが早いのが当たり前になっている。

 

そのため、生きたコミュニティにするためにはこのリアルタイムは必ず意識してほしい。

 

8.インセンティブ

以下3つはコミュニティを成熟させるために必要なテクニックを紹介する

 

 

コミュニティが成熟していくと、ヒエラルキーが生じる。

そのヒエラルキーを設計する際に必要なポイントがインセンティブである。

 

ヒエラルキーの上に立つことで何を得ることができるのか。

 

インセンティブは大きく2つに分かれる

 

①実利的なインセンティブ(要は金)

②承認欲を満たすインセンティブ

 

ヒエラルキーの上ることがインセンティブになるように設計できると、もうもはやこれは宗教になる。

 

例えば宝塚の場合は、ファンクラブには貢献度によるポイント制があり「良い席のチケット」というインセンティブが与えられる。

そして、いわゆるSS席に座ることで自分の承認欲求も満たすことが出来る。

 

 

インセンティブを獲得したいためにエンゲージメントが上がり、その結果インセンティブを獲得し更にエンゲージメントが上がるというエンゲージメントループが出来る。

 

 

また、コミュニティの説明でもした、共通の目的にもなり得るので、コミュニティの強度がより強くなる。

 

 

9.協働

協働とは、ともに力を合わせて活動することだ。

これは余白に対して情報発信側と受信側が共にコンテンツを良くしていこうと動くことを指す。

そして「コンテンツを良くしていこう」という共通の目的が、よりコミュニティの求心力を高める。

また、自分が成長に関与したという事実は愛着に変わり、よりエンゲージメントがたかまるというループが生まれる。

このエンゲージメントループの設計が組み込まれているコミュニティは相当強い。

 

 

キングコング西野さんが企画しているものはエンゲージメントループが組み込まれているものが多く、双方向のエンタメ『コミュニケーション』というふうに仰っている。

今、作っている『しるし書店』も、まったく同じ発想で、参加者全員を"店主&客"にしてやろうと思っています。

そこには『苦労』が伴うのですが、苦労があるから協力や共感が生まれ、コミュニケーションが生まれます。
結論、『コミュニケーション』を作りてぇわけですね。
「俺が作った作品を見ろ!」という一方通行のエンタメも面白いですが、個人的には、双方向のエンタメ『コミュニケーション』が好きです。

 

 

 

10.コラボ

これはちょっと本質的なところから外れるのだけど、

ファン獲得をブーストさせるにはコラボが有効だ。

 

2つのメリットがある

 

①今までアプローチしていた範囲外にアプローチできる

②市場価値が高まる。

 

常に頭の片隅に入れておいて、いつでもスキあればコラボを狙えるようにしておくことをおすすめする。

 

コラボする際の注意点は自分のメリットだけを見るのではなく、コラボする相手側のメリットを意識することだ。

 

この視点がないと、いいコラボは生まれない。

 

 

 

 

以上で一応すべての説明は終了だ。

 

 

 

これをみて「自分も何かコンテンツを発信してみよう」と思ってくれたら嬉しい。

また、コンテンツ配信の精度があがるきっかけになれたら嬉しい。

 

 

あとがき

 

 

ここ数週間ずっと個人がコンテンツ化する時代のことばかり考えてた。

 

 

まだまだ、言語化していきたい要素はたくさんあるし、見落としている視点もたくさんあると思う。

 

 

 

でもあのとき感じていた心理障壁は少し低くなったと思う。

 

 

 

暗い部屋の片隅から抜け出すことは無いが

あの輝かしい光を放つディスプレイの向こう側へ進める気がする。

 

 

 

そう思い

 

 

 

また、暗い部屋の片隅へと思い腰を運んだ。

 

 

 

 

 

 

最後まで読んで下さってありがとうございました。

   ①内容に共感頂けた方

   ②共感できなかったがSOUL'd OUTが好きな方

がいらっしゃったら、

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あと何かありましたら是非コメントもよろしくおねがいします!

 

 

 

こういうのを書いたら拡散が上がるのかの実験。
ぜひご協力おねがいします!!


まぁ、そもそも見てる人ほとんどおらんねんけどな

ア アラララァ ア アァ