【映画の感想】『何者』を見て

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ずっと気にってた『何者』をやっと見ることができた。

 

そんなこんなで、今回は何者について自分なりにまとめようと思うのです。

 

まずは基礎情報。

何者は朝井リョウが原作の映画。
朝井さんといえば『桐島部活やめるってよ』で有名な小説家。原作は読んでないんだけど、、、印象は人の建前をそのまま見逃さずに、キャッチして剥がしてリリースするのが得意な人。会ってないから推測だけど、、、

 

そんなエコな人が今回テーマに選んだのは就職活動とSNS

 

特に僕と同じ世代の人が経験してるであろう就活withSNSを通じて、人のアイデンティティとはなんなのか?つまり俺って何者なのか?って言う部分をキャッチ&リリースした作品になってる。

 

そして、監督さんは僕はほとんど知らない。どうやら舞台もやってる人みたいなんだけど、その人の舞台も見たことはない。てかそもそも舞台みたことない。いつか見て見たい。

 

そんな彼らが作り上げた作品が『何者』になるわけです。

見た感想だけど、「あー、それわかるわぁ(笑)」「うわぁー、そこまでかぁ(笑)」って思わず言っちゃうくらい痛々しい内容だった。

そして、これも桐島部活やめるってよ』と同じように、自分が見てきた世界によって全然見る視点が変わるような内容。
要は友達同士の議論がまた楽しみになるような内容。まだ見てない人はぜったい見た方が良いと思う。

 

今回3つのポイントに分けて自分の所感を書こうと思う。

 

そのまえに、前提だけど僕は就活してない。面接もなく今の会社に入った。そして、SNSもあまりやらない。特にツイッターはやってない。そんな視点から感想を書くからもしかしたら、かなりずれてるかもしれない。

 

ポイント①就活することについて

就活ってほんと恐ろしいイベントだと思う。なぜなら、今まで大学時代に培ってきたものを捨てて、新しい社会という扉を開く瞬間になるから。

例えば大学時代に音楽や演劇のようなサークルや部活動にエネルギーを注いでいた人が、そこで得たスキルを武器に就活することは到底難しい。

そして一般的に面接に必要とされるスキルを急ピッチで身につけて、なんとか自分をよく見せる方法を模索する。
映画では一分間で自分の良さを相手に伝えないといけない「一分間スピーチ」が説明されてたけど、まさにそれ。面接に合格したくて、自分をよりよく見せていく作業。そこで、結局俺は何をやってきて何をしたくて、こんな自分って正解なの?という不安になってしまうんだと思う。

 

ここでのポイントは2つ

1つは、大学時代の活動が将来を見据えて行ったものである可能性が低いこと。(これは自業自得だと思ったりもする)

2つは、就活というイベントになぜか特殊な優劣や勝ち負けのイメージがあること。

1つめに関しては、将来を見据えて活動し、その経験を直接的に将来に繋げることだけが正解だとは思わないけど、ある程度の軸は揃えて置いた方がいいと思う。これに関してはこの記事でなんとなく書いた。

syaca.hatenablog.com


あと何より、内定がゴールじゃないからと言ってあげたい。

2つめに関しては特に僕が疑問と、むしろ怒りに近い感情を抱いてる部分で、まず全く意味がわからないのは会社を選ぶ軸に、福利厚生とか、保険?とか年収とかを置いている点。
あと、大企業入ってたら勝ち組と思っている考え。からの、「私なんて大企業は採用してくれないから」という意味がわからない発言。

もぉ、大企業が安泰なんて誰も思ってないくせに、まだ名前に安心したいというなかば、願いのように大企業に頼ろうとする考え。というかこの系統の批判すらもはや聞き飽きたくらいなのに、まだその風潮が残ってるのが疑問。

確かに、やりたいことが出来るのがたまたま大企業であったり、ビジョンや先輩に共感出来たのがたまたま大企業だったりするのは全然応援したいけど、とりあえず大企業!っていう考えは少し盲目的だと思う。

あと人を社名とか年収で卑下するのはやめたい。
その人に明確な目的やビジョンがあっての選択ならそれを応援してあげるべきだと思う。

 

ポイント②このテーマの儚さ

何より僕が凄いなと思ったのは、このテーマを作品にしようと思いたったこと。
就活を通しての葛藤は今を真剣に生きてるからこそ生じるイベントで、みんなが一度は通るし、疑問に思いながらも進むしかない道。

なんだけど、実は入社した後の方がもっと辛いし、重要なことがあるため、忘れがちになるテーマだと思う。

だから、このテーマ見たとき、「あ!そーだ!あれだけ就活に対して疑問を抱いてたのに忘れてた」ってなった。

あの時、絶対的審査員に見えた人だって、会社に入ってみれば同僚で、なんなら自分より仕事が出来ない可能性もあるし、自分みたいなやつが数年後面接官やってるかもしれないという視点。

また、面接官も実は必死で、間違って会社の文化に合わない人を採用すると上司に怒られるし、会社にもその人にも損失を与えるという責任のもと面接をしているという視点。

当時はこのことに気づかずに、後々気づくんだけど、「もぅ関係ないや」と忘れ去られがちという普遍性と儚さを持ったテーマだと思う。

ポイント③違和感

もっと好きなことをやっていけばいいのに。
他人の批判なんて気にせず、情熱注げることにエネルギー注いだらいいのに。
生活する方法はいくらでもあると思う。

俺って何者なんだ?っていう疑問は誰しも抱くことで、その潜りの時期を超えてやっと人に価値を提供できる人になれると思う。

だから就活がうまく行かなくたって、そんなに心配することないよ。

人が決めた流れに乗るのだけが生き方じゃないから。

逆に大学1年生から就活してもいいと思う。というか優秀な学生はすでにインターンとかで働いてたりするしね。

 

最後に

 

映画の構成や演出の妙より、このテーマについて深く考えたくなるというのがこの映画の魅力だと思う。とてもいい映画だと思うので、まだみてない人はぜひDVDでみてほしい。そして感想をぜひ教えて欲しい。

美女と野獣をみて

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今回はディズニーの『美女と野獣』を見た。1991年公開のディズニーアニメーションのクラシック『美女と野獣』をディズニーが実写化ということで期待大。

内容は全然知らなかったんだけど、なんとなく勝手に想像してて、一番好きな作品だった。(謎だけど)

 

結論やっぱすげーディズニー!!ってなった。

 

ちょっとそれっぽく全体を分割して感想を描いてみようと思う。

これも訓練ということで。。

誰も見てないのでネタバレとか関係なしに書こうと思う。

 

大きく分けて

  1. 主要登場人物の紹介
  2. ベルと野獣が出会う
  3. ベルと野獣が恋する(お互い敬遠してたのに)

っていうほんと単純な話。

そこでこの物語を面白くしている要素が、美女が恋する相手が文字どうり野獣だということ。

 人は(獣もかな)見た目じゃなくて内面の美しさが重要なんだ。っていうほんと普通のありふれたメッセージがテーマになっている。

 

こう言っちゃうと普通なんだけど、というか普通の話だからこそ、あそこまでの感動に持っていく物語の運び方がホントすごいと思った。

 

主要登場人物の紹介

まずは、野獣こと王子ダン 

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こいつはホントにやばいやつ、親の七光り(おそらく)でお金持ちで、しかも見た目がイケメン。美しいもの以外受け付けないようなパーティーなんか開いちゃって、そりゃやりたい放題。

 

この時点で、こいつは最悪、クズ、嫌い、という印象に。

 

あとで書くけど、この物語の一番大事なところって、見る側にいかに野獣に対して同情に近い感情を抱かすことができるかだと思ってて、この時点でその兆しゼロ。むしろマイナス。

そこでマイナスをプラスに埋める出来事勃発!?。

要は、見た目が醜い女の人に対して冷たく接したんだけど、実はその人が魔女で、「お前は外見はいいけど心は醜い」ってことで野獣になれ!って野獣にされちゃう。(本当の愛を知ったら元に戻れるよという制約付きで)しかも召使いやペットまでが時計やコップのようなモノにされちゃう始末。

これは辛い。正直辛いと思う。でも今まで散々楽しんできたんだから別に同情ほぼゼロ。むしろまだマイナス。ザマーミロって感じw

 

この時点であれ?・・この映画成立するの?っていう不安にかられた。

 

次に、美女ことベル

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ミュージカル調でこの物語の世界観を説明しながら、ベルがその村人たちにどんな扱いを受けているかを伝えるシーン。

要は、ベルは独創的が故に村人からはハブられている存在。よくいる教室の不思議ちゃん的なポジション。ここで可哀想・・・ベル・・・ってなったらよかったんだけど、ベルを演じているエマワトソンの「いやいや私一人でもやっていけますよ」的な顔力のせいで、(いい意味でちょっと不良っぽいというか)ここでも感情移入ゼロ。むしろマイナス。

そこで高身長イケメンで英雄のガストンという男に目をつけられプロポーズされるんだけど、、、、

ここが重要でガストンはとても重要人物。

構造的には野獣の対をなしてる存在で、見た目イケメンだけど中身が微妙・・・っていう存在。

 

ここでは、ガストンはめっちゃガサツな人。

いいシーンだなぁって思ったのは、ベルに求婚しにいくシーンで、庭にあるキャベツを一切気にせずに踏みつけながらベルに近くシーン。

これだけで「うわ、こいつ自分のことしか考えないタイプのやつだ」っていうのが分かるw

でも笑ったのは、そのあとベルが歌いながらなんであんなガサツなやつと結婚しないといけないの!って言ってるんだけど、歌いながら鳥の餌を鷲掴みして、鳥に投げつけてた・・・(君も十分ガサツだよ・・・)

ここでおぉガストンとベルお似合いやんってなったw

 

この時点でこの映画成立するの?っていう不安がさらに加速

 

 

ベルと野獣が出会う

やっとここで二人が出会うんだけど、この出会い方も最悪。

ベルのお父さんがベルのためにバラの花を摘もうとしたところ、そのバラは野獣の敷地内のバラだったために、野獣に見つかり監禁されてしまう。

そこでベルが親父さんを助けに野獣の城に向かうことに。

その時点でお互いに対する嫌悪感は半端ない。

 

片や親父さんを監禁した野獣。片や盗人の小娘。

この時点で2人の関係ってうまくいくの?

っていうかそもそもこの2人を応援する必要ある?

っていう素直に感情移入できない状態が続いた。

 

でもこっからの展開から一気に世界観にのめり込んでしまった。

 

 

ベルと野獣が恋をする

続きは明日 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【映画の紐解き】キングコング: 髑髏島の巨神を見て

 

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ずっと見たかった映画、「キングコング: 髑髏島の巨神」をやっと見ることができた。

感想は...もぅ最高。

こんなに贅沢な118分は、なかなか無いよきっと。

 

これは漢に捧げる愛の映画だ。

 

普段何もしない奴が、最後に勇気を振り絞って自己犠牲満載で何かに立ち向かったとしても、大切なものを守れなければただの無駄死にでしか無いんだ。(それはそれでまた別の感動はあるんだけど)。要は漢なら大切なモノや人を守ってナンボって話。

 

ただ一人、孤島の島で君臨し続ける孤独、優しさ、想いやり、葛藤、誇り、これら全てがあのドラミングに込められてるんだと思うと、震える。

 

そして、大佐の「仲間を想いやる気持ち」と「自分の命を賭してまで仲間を守り切れなかった葛藤」により、半ば自殺的に仲間を守るために立ち向かって行く姿。

 

1人の仲間を守るために、他の仲間までめちゃくちゃ犠牲にしてるよ...っていうツッコミを入れたくなるほど痛くも弱くも見えて...

 

でも眼力と迫力とガタイが凄すぎでギャップがすごくて...

 

多分だけど、大佐も守る側の人で、でも自分では守り切れない現実が悔しくて...悲しくて...

 

あの睨みは大佐のドラミングへのアンサーなのかなと思うと。スクリーンのほぼ9割を埋め尽くしたドアップのシーンも笑わずに見れるのかなとふと思った。

 

そして、あんだけフってた挙句の「big one」っていう発言が一番おもろかった。

 

理想をいえばIMAXで見たかったけど、こういう映画が映画館で見るべきなんだなと改めて映画館の良さを思い知った1日でした。